56%が「チラシがきっかけ」で購買経験あり!消費者の心を動かす販促物の共通点とは?
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56%が「チラシがきっかけ」で購買経験あり!消費者の心を動かす販促物の共通点とは?

Sayoko

Sayoko

2025.11.04

SNS広告や動画プロモーションが主流となった現在でも、街頭やポスティングで手にした一枚のチラシが、購買や来店といった行動を促すケースは少なくありません。

今回の調査では、全国の男女300名を対象に、「手に取られるチラシ」「見ずに捨てられるチラシ」を分けるデザイン要素についてアンケートを実施しました。

消費者が「つい見てしまう」「取っておこう」と感じるチラシの共通点や、逆に“すぐに捨てられてしまう”デザインの特徴を、調査データとともに紐解きます。

調査概要

調査対象:300名の男女
年齢層:20代~60代
調査方法:インターネットアンケート調査
実施期間:2025年10月9日~2025年10月10日

【調査概要】あなたの性別・年齢について教えてください。

選択肢

▼性別
・男性
・女性
▼年齢
・20代
・30代
・40代
・50代
・60代以降

56%が「チラシがきっかけ」で購買経験あり!消費者の心を動かす販促物の共通点とは?
あなたの性別を教えてください。人数割合
男性12240.67%
女性17859.33%
300100.00%

56%が「チラシがきっかけ」で購買経験あり!消費者の心を動かす販促物の共通点とは?
あなたの年齢層を教えてください。人数割合
10代00.00%
20代4214.00%
30代10936.33%
40代9933.00%
50代3712.33%
60代以降134.33%
300100.00%

本調査では全国の男女300名を対象に、手に取られるチラシについてアンケート調査を実施しました。

【質問①】ポスティングや街頭で配布されるチラシについて、つい内容を見たり、捨てずに保管したりした経験はありますか?

選択肢

・はい
・いいえ

全体の58.33%が行動を起こすチラシ”を経験している

【質問①】ポスティングや街頭で配布されるチラシについて、つい内容を見たり、捨てずに保管したりした経験はありますか?
ポスティングや街頭で配布されるチラシについて、つい内容を見たり、捨てずに保管したりした経験はありますか?人数割合
はい17558.33%
いいえ12541.67%
300100.00%

調査の結果、全体の約6割(58.33%)が「思わず内容を見た」「保管したチラシがある」と回答しました。

SNS広告やデジタル販促が主流となった現在でも、チラシという紙媒体は依然として強い訴求力を持っていることが分かります。

特に、紙ならではの視覚的インパクトや手触りによる接触体験が、デジタルでは得られない“リアルな接点”として消費者の行動を促す要因になっていると考えられます。

一方で、4割以上の人が「見ずに捨てる」と回答しており、デザインやキャッチコピーが左右する“第一印象”が命運を分けるポイントとなっていると推察されます。

手に取った瞬間に興味を引けるかどうかが、行動につながるか否かを決定づける分かれ目といえるでしょう。

【質問②】保管・内容を注視したチラシのデザイン・内容について、特にどのような点に魅力を感じましたか?

選択肢

・キャッチコピーが印象的だった
・色使いやデザインがきれいだった
・情報が整理されていて読みやすかった
・お得な特典やクーポンがあった
・自分の興味と関係していた
・紙の質感・形が特徴的だった
・その他

「お得感」や「関心への一致」が魅力を感じる最大の要素

【質問②】保管・内容を注視したチラシのデザイン・内容について、特にどのような点に魅力を感じましたか?
そのチラシのデザイン・内容について、特にどのような点に魅力を感じましたか?人数割合
キャッチコピーが印象的だった134.25%
色使いやデザインがきれいだった3511.44%
情報が整理されていて読みやすかった3511.44%
お得な特典やクーポンがあった13042.48%
自分の興味と関係していた8527.78%
紙の質感・形が特徴的だった51.63%
その他30.98%

チラシを保管や内容が注視した要因を調査したところ、「お得な特典やクーポンがあった」(42.48%)と「自分の興味と関係していた」(27.78%)が突出しており、両者を合わせると全体の7割以上を占めました。

この結果から、消費者がチラシを手に取る・読む・行動するかどうかは、主に次の2つの実利的な視点に基づいていることが分かります。

項目詳細
直接的な金銭的メリット値引きや特典・限定クーポンなど、明確なお得感がある
自分に関係があるかライフスタイルや興味と“自分ごと化”できる内容である

チラシの成否は「デザインの美しさ」だけでなく、“誰に・どんな価値を届けるか”という設計力にも左右されます。

マーケティングの視点からデザインを捉え、見る人の関心やニーズに寄り添いながら、具体的なメリットを提示できるかどうかが、行動を促す鍵といえるでしょう。

デザインと読みやすさが11.14%と同率!魅力を伝える「土台」としての役割

チラシを保管したり、内容を注視した理由として、「色使いやデザインがきれいだった」「情報が整理されていて読みやすかった」が、いずれも11.44%で同率という結果となりました。

「お得感」や「関心との一致」に次いで、合わせて2割以上を占める無視できない要素であることが分かります。

これらのデザイン・レイアウト要素は、チラシの“魅力を支える土台”として機能しています。

どれほど内容が優れていても、読みにくい配置や雑然とした印象では、せっかくの特典や情報が伝わる前に捨てられてしまう可能性があります。

つまり、チラシづくりにおいては「目を引く」だけでなく、“最後まで読ませる”構成設計が欠かせません。

デザインは単なる装飾ではなく、情報を魅力的かつ効果的に伝えるための設計技術であることが、今回の調査結果からも示唆されます。

【質問③】「すぐ捨ててしまう」チラシにはどんな特徴がありますか?

選択肢

・文字が多すぎて読む気にならない
・デザインが安っぽい・古くさい
・何の広告かすぐ分からない
・自分に関係がない内容だった
・写真やビジュアルが弱い
・ありきたりな内容だった
・その他

「関心不一致」が60.33%と最大の離脱要因

【質問③】「すぐ捨ててしまう」チラシにはどんな特徴がありますか?
「すぐ捨ててしまう」チラシにはどんな特徴がありますか?人数割合
文字が多すぎて読む気にならない4615.33%
デザインが安っぽい・古くさい227.33%
何の広告かすぐ分からない268.67%
自分に関係がない内容だった18160.33%
写真やビジュアルが弱い31.00%
ありきたりな内容だった196.33%
その他31.00%
300100.00%

すぐに捨ててしまうチラシの特徴として、「自分に関係がない内容だった」が60.33%を占め、チラシが“届いているのに届いていない”状態に陥っていることが分かりました。

この結果は、チラシ制作における「ターゲティング設計の精度」が反応率を左右する最重要ポイントであることを示唆しています。

「誰に・何を・どのように伝えるか」という基本設計が曖昧なままでは、どれほどデザインや特典に工夫を凝らしても、行動にはつながりません。

特にポスティングの場合は、配布対象を細かく絞りにくいため、「地域・世代・生活シーンに合わせた訴求軸の再設計」や、「共感を生むコピーライティング」の重要性が一層際立ちます。

「情報過多・視認性不足」が次点の課題

すぐに捨てられてしまうチラシの特徴として、「文字が多すぎて読む気にならない」(15.33%)、「何の広告かすぐ分からない」(8.67%)が挙げられました。

この2項目を合わせると約4人に1人(24%)が「情報整理の悪さ」を問題視していることが分かります。

情報を詰め込みすぎたり、視線誘導が整理されていなかったりすると、内容がターゲットに合致していても、読む前に離脱されてしまう可能性が高まります。

手に取ってもらえるチラシに重要なのは、情報量ではなく「伝達設計」であり、受け手が瞬時に“何の広告か”を理解できることが大切です。

視線の流れ、情報の階層、余白のバランスといったビジュアルコミュニケーションの設計こそが、反応を生むチラシとそうでないチラシを分ける鍵と言えます。

【質問④】これまでに、チラシがきっかけで商品を購入したり、お店やサービスを利用したりした経験はありますか?

選択肢

・はい
・いいえ

56.0%と過半数がチラシを見て行動に至った経験を持つ

【質問④】これまでに、チラシがきっかけで商品を購入したり、お店やサービスを利用したりした経験はありますか?
これまでに、チラシがきっかけで商品を購入したり、お店やサービスを利用したりした経験はありますか?人数割合
はい16856.00%
いいえ13244.00%
300100.00%

チラシをきっかけに実際の行動(購入・来店・利用)につながった経験について調査したところ、56.0%が「経験がある」と回答しました。

この結果から、チラシは今もなお、“行動喚起メディア”として一定の効果を発揮していることが分かります。

さらに、前項の「チラシの内容を見たり、保管した経験はありますか?」という設問でも58.33%が「はい」と回答しており、今回の「行動経験あり(56%)」という数値と非常に近い結果となりました。

この2つのデータの相関は、一度“自分ごと”として興味を持ち保管されたチラシが、後に実際の購買や利用につながっていることを示唆しています。

チラシマーケティングにおいては、「手に取ってもらう」「保管してもらう」初期接触の設計が行動率を左右する重要な要素といえます。

“その場で反応させる”だけでなく、後日も思い出して行動を促せる情報設計・デザイン設計が、紙媒体を最大限に活かす鍵といえるでしょう。

【質問⑤】利用につながったチラシのジャンルに最も当てはまるものを1つお選びください。

選択肢

・飲食(レストラン、デリバリーなど)
・美容(ヘアサロン、エステ、コスメなど)
・イベント・エンタメ小売店(スーパー、アパレル、雑貨など)
・求人
・不動産
・学習・スクール(塾、習い事など)
・その他

「飲食チラシ」が67.86%と圧倒的なコンバージョン力

【質問⑤】利用につながったチラシのジャンルに最も当てはまるものを1つお選びください。
それは、どのようなジャンルのチラシでしたか?最も当てはまるものを1つお選びください。人数割合
飲食
(レストラン、デリバリーなど)
11467.86%
美容
(ヘアサロン、エステ、コスメなど)
95.36%
イベント・エンタメ116.55%
小売店
(スーパー、アパレル、雑貨など)
2816.67%
求人21.19%
不動産00.00%
学習・スクール
(塾、習い事など)
10.60%
その他31.79%

「チラシをきっかけに行動した」と回答した人に、そのジャンルを尋ねたところ、「飲食(レストラン・デリバリーなど)」が67.86%と、他を大きく引き離す結果となりました。

約3人に2人が“飲食関連チラシ”で行動経験ありというデータは、飲食業界における紙媒体の販促力の高さを如実に示しています。

飲食チラシは、以下の三要素が揃っており、最も反応が得やすいジャンルと言えます。

  • 写真やビジュアルによる感覚的訴求力
  • 割引・特典などの実利性
  • 「行ってみよう」と思える行動の手軽さ

実際、自由記述回答でも写真やデザインの印象が来店動機につながっていることが分かりました。

近所のラーメン店がオープンしたときにポスティングされていたチラシで、オープン記念の替え玉無料クーポンが付いていました。写真も美味しそうで、お店の場所も地図でわかりやすく載っていたのでつい取っておきました。

お得な情報や写真がおいしそうだったので残しておきました。

魅力的な食べ物の写真が載せてあるオープンしたばかりのレストランのチラシだったので、その時は取っておいて後から妻とその店に行きました。

また、日常的な購買行動と密接に結びつく小売・スーパー関連も16.67%と一定の割合を占めています。

これらに共通するのは、「行動コストが低く、即利用できる」という点であり、チラシによって購買行動が後押しされやすい傾向があると考えられます。

まとめ

今回の調査から明らかになったのは、「手に取られるチラシ」と「捨てられるチラシ」を分ける要因が、単なるデザイン性の高さではなく、消費者の行動心理をどれだけ理解し、設計に反映できているかという点です。

人はチラシを目にした瞬間に、「自分の生活に関係があるか」「今の自分に必要な情報か」を直感的に判断します。

仮にデザインが洗練されていても、その瞬間に関心の軸を捉えられなければ、内容が読まれることなく手放されてしまいます。

一方で、美味しそうな写真・見やすいレイアウト・整理された情報構成といった要素は、受け手の理解を助け、購買や来店といった行動を自然に後押しする「導線」として機能します。

本調査では、販促物におけるデザインの役割が単なる“見た目の美しさ”ではなく、「人の心を動かし、行動につなげる仕組みをつくること」にあることがわかりました。