価格や機能を載せるだけじゃない!展示会パンフレットが果たす企業にとって重要な役割とは?
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価格や機能を載せるだけじゃない!展示会パンフレットが果たす企業にとって重要な役割とは?

Sayoko

Sayoko

2025.12.25

展示会において、パンフレットは単なる情報伝達の媒体ではなく、来場者との接点を強化し、その後の商談獲得へ寄与する極めて重要な販促ツールです。

しかし、そのデザインや構成の品質が、来場者の検討プロセスにどのような影響を与えるのかを定量的に把握できている企業は多くありません。

今回デザポケでは、ビジネスパーソン300名を対象とした意識調査の結果をもとに、来場者の行動原理を分析し、「保管され、検討されるパンフレット」と「即座に廃棄されるパンフレット」の差異について調査をしました。

展示会で使うパンフレットを制作する際の参考として、ぜひご活用くださいませ。

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【調査概要】

  • 調査対象:300名
  • 年齢層:20代~60代
  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 調査実施期間:2025年11月11日~2025年11月18日

目次

Q1.あなたの性別を教えてください。

選択肢

  • 男性
  • 女性
  • その他/回答しない
Q1.あなたの性別を教えてください。
回答選択肢回答数構成比
女性17257.3%
男性12842.7%
合計300100.0%

Q2.あなたの年齢層を教えてください。

選択肢

  • 20代
  • 30代
  • 40代
  • 50代
  • 60代以上
Q2.あなたの年齢層を教えてください。
回答選択肢回答数構成比
20代4715.7%
30代11137.0%
40代10133.7%
50代3311.0%
60代以降82.7%
合計300100.1%

Q3.展示会でパンフレットを手に取った主な理由はなんですか?

選択肢

  • 興味のある企業だったから(事前に調べていた、ブースを見て惹かれた)
  • 企業担当者から強く勧められたから(熱心なセールスを受けた)
  • 後で比較検討するために(ブースで詳細を聞く時間がなかった)
  • ノベルティや特典とセットで渡されたから
  • ブースデザインが魅力的で、興味本位で
  • その他
Q3.展示会でパンフレットを手に取った主な理由はなんですか?
Q3. 展示会でパンフレットを手に取った主な理由はなんですか?(複数回答可)回答数構成比
(n=300)
興味のある企業だったから18561.7%
ノベルティや特典とセットで渡されたから10936.3%
後で比較検討するために8929.7%
企業担当者から強く勧められたから5217.3%
ブースデザインが魅力的で、興味本位で4314.3%
その他31.0%
延べ回答数(実数 300)481

パンフレットは「検討の切符」。後日の比較を見据えたフックを

今回のアンケートの結果、「ブースで話を聞く時間がなかった」という声が多く、パンフレットが営業担当者の「身代わり」として機能していることがわかります。

後で見返した際に、当日の説明内容を補完できる情報設計が重要であると考えられます。

「興味本位」を「確信」に変える、ブースとのデザイン連動

「ブースが魅力的で手に取った」というコメントがあり、空間デザインとパンフレットのビジュアルの一致が重要視されています。

入り口(ブース)と資料のトーンが揃っていることで、企業のプロフェッショナリズムを感じさせるという効果が推察できます。

Q4.受け取ったパンフレットを、最も集中して読んだのはいつですか?

選択肢

  • 展示会会場内(休憩中、次のブースへの移動中など)
  • 展示会からの帰り道(電車や車の中)
  • 展示会に来場した日の夜(自宅や会社、ホテルなど)
  • 展示会会場から数日後~1週間以内
  • ほとんど読んでいない
Q3.展示会でパンフレットを手に取った主な理由はなんですか?
Q4.受け取ったパンフレットを、最も集中して読んだのはいつですか?回答数構成比
展示会に来場した日の夜(自宅や会社、ホテルなど)10836.0%
展示会会場内(休憩中、次のブースへの移動中など)9832.7%
展示会からの帰り道(電車や車の中)4916.3%
展示会会場から数日後~1週間以内3913.0%
ほとんど読んでいない62.0%
合計300100.0%

勝負は「当日の夜」。高揚感を成約へ繋ぐプロの品質

回答者の36.0%が「来場した日の夜」に閲覧しています。

他社の資料と並べて比較されるこの「ゴールデンタイム」に、抜きん出たクオリティで存在感を示せるかが、検討候補に残るための絶対条件と考えられます。

また、約3割は会場内(移動中や休憩中)で目を通しています。

じっくり読み込まなくても、見出しと図解だけでベネフィットが理解できる「情報の優先順位付け(デザイン)」が、認知率を劇的に高めます。

Q5.印象に残った、または捨てずに保管しているパンフレットの具体的な特徴は何ですか?

選択肢

  • デザインがシンプルで見やすい(余白が多い、写真がキレイ)
  • 企業のベネフィット(提供価値)がキャッチコピーで一目でわかった
  • 他社製品との違い(比較)が明確に記載されていた
  • サイズや形状がユニークで、持ち帰りに便利だった
  • 厚みや材質がしっかりしていて、高級感・信頼感があった
  • 資料請求用のQRコードやURLが分かりやすかった
  • その他
Q5.印象に残った、または捨てずに保管しているパンフレットの具体的な特徴は何ですか?
Q5.印象に残った、または捨てずに保管しているパンフレットの具体的な特徴は何ですか?回答数構成比(n=300)
デザインがシンプルで見やすい(余白が多い、写真がキレイ)14046.7%
他社製品との違い(比較)が明確に記載されていた11839.3%
企業のベネフィット(提供価値)がキャッチコピーで一目でわかった8628.7%
厚みや材質がしっかりしていて、高級感・信頼感があった5117.0%
サイズや形状がユニークで、持ち帰りに便利だった4916.3%
資料請求用のQRコードやURLが分かりやすかった3010.0%
その他72.3%
延べ回答数481

「引き算」のデザイン。シンプルさが信頼と保管率を高める

 「余白があり写真がキレイなもの」が好まれる一方、文字が詰まった資料は敬遠されがちな傾向にありました。

情報を削ぎ落とし、視覚的に「読むストレス」を排除することが、結果的に大切に保管される一歩となることが考えられます。

情報過多な展示会において、整理されたシンプルな誌面は読み手のストレスを軽減し、「この企業は仕事が丁寧だ」という無言の信頼感へと繋がります。

意思決定を助ける「比較表」が、捨てられない理由になる

「比較が明確だった」という回答の裏には、多忙なビジネスパーソンが「自分で比較表を作る手間を省きたい」という本音が推察されます。

顧客の検討プロセスを先回りした情報の見せ方が、捨てられない理由になります。

シンプルで綺麗なデザインであることは前提としつつ、ビジネス層は最終的に「その情報は信頼に値するか」をシビアに見ています。

プロの視点で「根拠となる数字」をいかに読みやすくデザインするかが、保管の決め手となることが読み取れます。


また、自由回答では以下のコメントも見受けられました。

導入実績のグラフや数値が具体的で、信頼できると感じた

専門用語が少なく、イラストや図解で直感的に理解できた

他社とのスペック比較が一目でわかる表になっていた

デザインの美しさは「入り口」であり、保管し続ける理由は「情報の分かりやすさ」と「客観的データ」といったコンテンツの質にあることがわかります。

Q6.受け取ったパンフレットを、他社のパンフレットと比較検討しましたか?最も当てはまるものを選んでください。

選択肢

  • はい、価格や機能面を比較した
  • はい、デザインや信頼感、ブランドイメージを比較した
  • いいえ、比較せず、すぐに判断した(または捨てた)
  • その他
Q6.受け取ったパンフレットを、他社のパンフレットと比較検討しましたか?最も当てはまるものを選んでください。
Q6.受け取ったパンフレットを、他社のパンフレットと比較検討しましたか?最も当てはまるものを選んでください。回答数構成比
はい、価格や機能面を比較した14046.7%
はい、デザインや信頼感、ブランドイメージを比較した8929.7%
いいえ、比較せず、すぐに判断した(または捨てた)7123.7%
合計300100.0%

選ばれる理由は「ブランド力」。スペック以上の安心感をデザインする

回答者の約7割が比較を行っており、その基準は機能だけでなく「信頼感やイメージ」に及びます。

スペックが横並びになった際、最後に選ばれるのは、デザインを通じて伝わる企業の「誠実さ」や「プロ意識」であることがわかります。

比較されることを前提とした「視覚的優位性」の確保

展示会という多くの資料が集まる中では、自社の強みが際立つ配色やアイコン使いが必要です。

他社資料の中に埋もれない個性的かつ洗練されたデザインが、検討順位を優位に導きます。

Q7.パンフレットを読んだことがきっかけで、実際に資料請求・問い合わせ・または製品の購入に進んだ経験はありますか?

選択肢

  • はい、ある
  • いいえ、ない
Q7.パンフレットを読んだことがきっかけで、実際に資料請求・問い合わせ・または製品の購入に進んだ経験はありますか?
Q7.パンフレットを読んだことがきっかけで、実際に資料請求・問い合わせ・または製品の購入に進んだ経験はありますか?回答数構成比
いいえ、ない27090.0%
はい、ある3010.0%
合計300100.0%

10%の成約チャンスを逃さない。行動を促す「攻め」の設計を

実際にアクションを起こすのは10%と狭き門です。

この壁を突破するためには、パンフレットを単なる「会社紹介」に留めず、限定特典や無料診断など、次のステップへの具体的な動機付けをデザインする必要があります。

Q8.「はい」と答えた方のみ、どんな製品・サービスを購入、問い合わせたのかを教えてください。

高単価・BtoB商材こそ「紙の信頼」が成約のトリガーになる

今回の回答では、

「会社で使用するクラウドサービス」
「製造業向けの工作機械」
「業務効率化ツール」

といった、導入検討に慎重さを要するBtoB商材が多く並びました。


また、自由回答では以下のコメントも見受けられました。

展示会で見たクラウド型管理システム。パンフレットの比較表が分かりやすく、社内会議の資料としてそのまま活用し、問い合わせに至った。

新しく導入を検討していたオフィス家具。素材感やサイズが詳しく載っていたパンフレットを保管しており、予算確保のタイミングで連絡した。

興味本位で手にした最新ガジェット。QRコードから限定キャンペーンにアクセスし、そのまま購入した。

Webの流し読みでは判断できない複雑な商材こそ、手元でじっくり比較できるパンフレットが「最終的な意思決定の拠り所」となっていることが推察できます。

また、「生活家電」や「教育関連サービス」など、個人の生活に直結する分野でも問い合わせが発生しています。

「ブースで見た直感的な良さ」を、パンフレットが「自分にとっての具体的なメリット」へと翻訳し、Web検索という次の行動へ繋げる役割を果たしていると考えられます。

Q9.受け取ったパンフレットを、最終的に処分した場合、その理由は何ですか?

選択肢

  • 興味が薄れたから
  • 情報量が多すぎて読む気がしなかったから
  • サイズが大きくてかさばり、保管に困ったから
  • デザインや紙質が安っぽく、企業に信頼感が持てなかったから
  • webサイトで同じ情報が見られたから
  • 連絡先や次の行動(CTA)が分かりにくかったから
  • その他
Q9.受け取ったパンフレットを、最終的に処分した場合、その理由は何ですか?
Q9.受け取ったパンフレットを、最終的に処分した場合、その理由は何ですか?回答数構成比
(n=300)
興味が薄れたから13444.7%
webサイトで同じ情報が見られたから11638.7%
サイズが大きくてかさばり、保管に困ったから10635.3%
情報量が多すぎて読む気がしなかったから3913.0%
デザインや紙質が安っぽく、企業に信頼感が持てなかったから124.0%
その他113.7%
連絡先や次の行動(CTA)が分かりにくかったから51.7%
延べ回答数423

「紙」である意義の追求。Webにはない質感と要約力を

「Webで十分」という理由は、逆に言えば「紙ならではの価値(一覧性や特別感)がなかった」ということが考えられます。

検索の手間を省く圧倒的な要約力や、手元に置いておきたくなる質感が、配布後の生存率を左右する可能性があります。

物理的サイズが招く「検討前廃棄」。配布後の到達率を高める「携帯性」の戦略

今回のアンケート回答では35.3%が「サイズ」を理由に処分しています。

いくら内容が良くても、持ち運びの負担を考慮しない設計は致命的であることが考えられ、あえてコンパクトにする、あるいはクリアファイルに収まりやすい形状にするなど、ユーザー体験(UX)への配慮が重要であると推察できます。


また、自由回答では以下のコメントも見受けられました。

必要な箇所をスマホで撮影してデータ化したので、現物は不要になった

情報がWebサイトと同じで、あえて紙で持っておくメリットを感じなかった

内容が薄く、自社が抱える課題の解決策が載っていなかった

「スマホで撮って捨てる」という現代の行動習慣を打破するには、紙ならではの付加価値(一覧性や特別感)をデザインに込める必要があります。

Q10.パンフレットに掲載されていたQRコードやURLなどから、webサイトや動画、SNSにアクセスしたことはありますか?

選択肢

  • はい、アクセスした
  • いいえ、しなかった
  • QRコードやURLが掲載されていなかった
Q10.パンフレットに掲載されていたQRコードやURLなどから、webサイトや動画、SNSにアクセスしたことはありますか?
Q10.パンフレットに掲載されていたQRコードやURLなどから、webサイトや動画、SNSにアクセスしたことはありますか?回答数構成比
はい、アクセスした17558.3%
いいえ、しなかった11237.3%
QRコードやURLが掲載されていなかった134.3%
合計300100.0%

アナログからデジタルへ。Web誘導を加速させる導線設計(UX)

アンケート結果では約6割がパンフレットを通してWebへアクセスしており、パンフレットは強力な「入り口」であることがわかりました。

一方で、単にURLを載せるのではなく、「この先の動画で実績を確認」といった、アクセスするメリットを明確に提示するデザインが誘導率向上の鍵となります。

紙とWebの「世界観の統一」が、離脱を防ぎ信頼を深める

高いアクセス率があるからこそ、遷移先のWebサイトとパンフレットのデザインが乖離しているとユーザーは不信感を抱きます。

紙からデジタルまで、統一されたトーン&マナーで顧客体験を繋ぐトータルデザインが重要です。

まとめ

今回のアンケートでは、展示会で配布するパンフレットが「捨てられるか、成約に繋がるか」の境目は、情報の整理整頓(シンプルさ)と、持ち帰りやすさへの配慮(UX)、そしてWeb以上の価値(信頼感)にあることが明確になりました。

来場者の生の声を見ると、パンフレットは『社内会議の資料』や『Webへの入り口』として期待されていることがわかります。

一方で、内容がWebと同じであったり、情報の整理が不十分なものは即座にスマホで撮られ、破棄されてしまいます。

しかしながらこれらはすべて、「デザインの力」で解決できる課題であるとも言えます。

展示会のパンフレットを「配って終わり」にさせないために、ぜひデザポケの戦略的デザインをご活用ください。

デザイン外注が不慣れな方でも、ご安心ください。

専任の担当者が伴走いたしますので、お気軽にご相談ください!

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