97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
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97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは

Sayoko

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2025.10.07

企業のブランド価値や顧客との信頼構築に欠かせないデザイン業務は、多くの企業にとって外部委託が当たり前となっています。

外注によって高品質な成果物を得られる一方で、制作プロセスにおけるコミュニケーションやスピード感に課題を感じる声も少なくありません。

今回の調査では、全国の働く20代から60代の男女181名を対象に「デザインの外注満足度」についてアンケートを実施しました。

企業がデザイン外注にどのような期待を寄せ、どのような不満や改善点を抱えているのかを明らかにし、今後のデザイン活用のあり方を考えるうえでの参考としていただければ幸いです。

調査概要

調査対象:181名の働く男女
年齢層:20代~60代
調査方法:インターネットアンケート
調査実施期間:2025年9月10日~2025年9月17日

目次

【調査概要】あなたの性別・年齢・業種・従業員規模・役職について教えてください。

選択肢

▼性別
・男性
・女性
▼年齢
・20代
・30代
・40代
・50代
・60代以降
▼業種
・IT・Web関連
・広告・出版
・メディア製造業卸売
・小売医療
・福祉公共団体
・教育
・その他
▼役職
・経営者
・役員管理職
・一般社員
・個人事業主
・フリーランス
・その他
▼従業員規模
・10名未満
・10名〜49名
・50名〜99名
・100名〜299名300名以上

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
あなたの性別を教えてください。人数割合
男性7541.44%
女性10658.56%
181100.00%
97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
あなたの年齢層を教えてください。人数割合
20代3217.68%
30代7641.99%
40代4927.07%
50代158.29%
60代以降94.97%
181100.00%
97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
あなたの業種に最も近いものを教えてください。人数割合
IT・Web関連3318.23%
広告・出版・メディア2714.92%
製造業2513.81%
卸売・小売2413.26%
医療・福祉179.39%
公共団体・教育147.73%
その他4122.65%
181100.00%
97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
あなたの役職または立場を教えてください。人数割合
経営者・役員105.52%
管理職2714.92%
一般社員10658.56%
個人事業主・フリーランス3418.78%
その他42.21%
181100.00%
97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
会社の従業員規模を教えてください。人数割合
10名未満4725.97%
10名〜49名5530.39%
50名〜99名2815.47%
100名〜299名179.39%
300名以上3418.78%
181100.00%

本調査では全国の20~60代以上の男女181名を対象に、デザインの外注に関する満足度についてアンケート調査を実施しました。

【質問①】過去1年以内に、デザイン制作を外部に発注した経験はありますか?

選択肢

▼外部への発注経験の有無
・はい
・いいえ
▼発注先
・デザイン制作会社
・広告代理店など(法人)
・フリーランス(個人)

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
過去1年以内に、デザイン制作を外部に発注した経験はありますか?人数割合
はい17596.69%
いいえ63.31%
181100.00%
その制作物は、主にどちらに発注しましたか?人数割合
デザイン制作会社・広告代理店など(法人)9753.59%
フリーランス(個人)8446.41%
181100.00%

過去1年以内にデザイン制作を外部に発注した企業は約97%にのぼり、ほとんどの企業が外注を活用していることがわかりました。

この結果から、デザイン業務の外注は一部の企業に限られた特殊な選択肢ではなく、むしろ一般的なビジネスプロセスとして定着しているといえます。

また、外注先の選択については法人とフリーランスの差は7.18%と僅差で、企業規模や案件内容に応じて柔軟に使い分けている様子がうかがえます。

【質問②】過去1年以内に外部へ発注したデザイン制作物は何ですか?

選択肢

・ロゴ
・Webサイト
・LPパンフレット
・カタログ
・チラシ類
・SNS投稿用の画像
・Web広告用のバナー
・プレゼン資料
・交通広告・屋外看板動画関連
・イベントブースデザイン
・その他

 企業の「顔」となる重要資産は、プロへの依頼が主流

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
過去1年以内に外部へ発注したデザイン制作物をすべてお選びください。人数割合
ロゴ7623.38%
Webサイト・LP6520.00%
パンフレット・カタログ・チラシ類5918.15%
SNS投稿用の画像3410.46%
Web広告用のバナー298.92%
プレゼン資料144.31%
交通広告・屋外看板123.69%
動画関連123.69%
イベントブースデザイン103.08%
その他144.31%
325100.00%

調査の結果、過去1年以内に外部へ発注したデザイン制作物としてロゴ(23.38%)が最も多く、次いでWebサイト・LP(20.00%)パンフレット・カタログ・チラシ類(18.15%)が上位を占めました。

これらはいずれも企業のブランドイメージを形づくり、顧客の第一印象を左右する極めて重要なマーケティング資産です。

そのため、専門性や戦略的な視点が求められる領域については、法人・フリーランスを問わず、プロのデザイナーや制作会社に依頼することが主流となっていると考えられます。

デザイン外注の使い分けが鮮明に!複数分野のスキルが必要な制作はデザイン制作会社

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
フリーランス(個人)デザイン制作会社・広告代理店など(法人)
過去1年以内に外部へ発注したデザイン制作物をすべてお選びください。人数割合過去1年以内に外部へ発注したデザイン制作物をすべてお選びください。人数割合
ロゴ3929.55%ロゴ3719.17%
Webサイト・LP2317.42%Webサイト・LP4221.76%
パンフレット・カタログ・チラシ類2317.42%パンフレット・カタログ・チラシ類3618.65%
SNS投稿用の画像1914.39%SNS投稿用の画像157.77%
Web広告用のバナー96.82%Web広告用のバナー2010.36%
プレゼン資料64.55%プレゼン資料84.15%
交通広告・屋外看板00.00%交通広告・屋外看板126.22%
イベントブースデザイン32.27%イベントブースデザイン73.63%
動画関連43.03%動画関連84.15%
その他64.55%その他84.15%
132100.00%193100.00%

発注先別に制作物を比較したところ、企業は外注先を制作物の特性に応じてフリーランスと制作会社を戦略的に使い分けていることが明らかになりました。

具体的には、「交通広告・屋外看板」や「イベントブースデザイン」のように、許認可や施工業者との連携が必要など、プロジェクト管理や信頼性が重要視される領域では、デザイン制作会社や広告代理店といった法人が多く選ばれています。

一方で、ロゴデザインのように比較的「単発」で依頼が完結しやすく、柔軟性やスピード感が重視される領域ではフリーランスが優位となる傾向がみられました。

【質問③】発注したデザインの最終的な【成果物】に対する満足度を教えてください。

選択肢

・とても満足
・やや満足
・どちらともいえない
・やや不満
・とても不満

外注デザインの満足度は86.7%!品質の高さが評価ポイント

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
発注したデザインの最終的な【成果物】に対する満足度を教えてください。人数割合
とても満足7239.78%
やや満足8546.96%
どちらともいえない158.29%
やや不満73.87%
とても不満21.10%
181100.00%

外注デザインに対する満足度は、「とても満足」39.78%と「やや満足」46.96%を合わせて、合計86.7%に達しました。

法人・フリーランスを問わず、デザイン市場全体の専門性が高く、安定した品質を提供できるパートナーを見つけやすい環境にあることがうかがえます。 

自由回答では、満足度の高い理由として次のような声が寄せられています。

デザインの最終的な成果物は再現性が高くクオリティが高いものを納品してくれました。

こちらの要望を丁寧にヒアリングしてくれて、イメージ通りのデザインに仕上げてもらえました。

費用感、スピード含め外注の方が負担少なく良かった

実際に成果物を見て入会したり興味を持ってくれた人が多かった

これらの回答から、外注デザインの評価ポイントは単なる見た目の美しさだけではなく、業務負担の軽減や顧客行動の促進といった実効性にまで広がっていることがわかります。

企業にとって、外注はリソース補完の手段にとどまらず、マーケティング成果を高める戦略的パートナーシップになっているのです。

【質問④】デザインが完成するまでの【プロセス】に対する満足度を教えてください。

選択肢

・とても満足
・やや満足
・どちらともいえない
・やや不満
・とても不満

デザイン完成までのプロセスには8割以上が満足している

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
デザインが完成するまでの【プロセス(過程)】に対する満足度を教えてください。人数割合
とても満足5932.60%
やや満足8748.07%
どちらとも言えない2312.71%
やや不満94.97%
とても不満31.66%
181100.00%

外注におけるデザイン制作の完成までのプロセスについての満足度は、「とても満足」「やや満足」を合わせると80.7%が高評価を示しました。

自由回答では、プロセスへの満足度の高い理由として次のような声が寄せられています。

レスポンスが早く、スムーズなやりとりができた

要望を丁寧にヒアリングしてくれた点は好印象

数回のデザインの修正に、丁寧に対応してもらえた

納期より早く仕上げてくれた

デザインの品質はもちろん、スピード感のある進行や正確な意図の把握が求められていることがわかります。

【質問⑤】制作プロセスにおいて不満に感じた点・ストレスに感じた点を教えてください。

選択肢

・こちらの意図やニュアンスが正確に伝わらなかった
・担当者からの返信が遅かった修正をお願いしづらい雰囲気だった
・想定より納品までの時間がかかった
・期待したような提案がなかった
・見積もりを超えた追加費用が発生した
・専門用語が多く、説明が分かりにくかった
・その他

最も大きなストレスは“意図が伝わらないこと”約4割が不満

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
Q14.制作プロセスにおいて不満に感じた点をすべてお選びください。人数割合
こちらの意図やニュアンスが正確に伝わらなかった4424.86%
担当者からの返信が遅かった3117.51%
修正をお願いしづらい雰囲気だった2815.82%
想定より納品までの時間がかかった2614.69%
期待したような提案がなかった2212.43%
見積もりを超えた追加費用が発生した147.91%
専門用語が多く、説明が分かりにくかった105.65%
その他21.13%
177100.00%
Q15.上記の不満の中で、最も大きなストレスを感じたものはどれですか?人数割合
こちらの意図やニュアンスが正確に伝わらなかった3539.33%
担当者からの返信が遅かった1516.85%
想定より納品までの時間がかかった1415.73%
期待したような提案がなかった910.11%
修正をお願いしづらい雰囲気だった66.74%
見積もりを超えた追加費用が発生した55.62%
専門用語が多く、説明が分かりにくかった44.49%
その他11.12%
89100.00%

デザイン外注のプロセスにおいて、最も多く挙がった不満は「意図やニュアンスが正確に伝わらなかった」という点で、全体の24.86%を占めました。

また、「最も大きなストレス要因」としても39.33%と最多を占めており、コミュニケーションの齟齬が外注における最大の課題であることが明らかになりました。

実際、意図が正しく伝わらないことは修正回数の増加や、コミュニケーションコストの肥大化を招きます。

「意図やニュアンスが伝わらない」という問題は、それ自体がストレスであるだけでなく、他の不満点を引き起こすため、最も大きなストレス要因になっていると考えられます。

返信の遅さ・納期遅延も根強い課題に。スピード感へのニーズ顕在化

デザイン外注における不満点として、「担当者からの返信が遅かった」(16.85%)と「想定より納品までの時間がかかった」(15.73%)が、それぞれストレス要因の第2位・第3位を占めました。

これらは「不満を感じた点」としての回答比率とほぼ同水準であり、発生頻度と同じくストレス要因としても根強い課題であることがわかります。

一方で、「修正をお願いしづらい雰囲気だった」という不満は15.82%と一定数見られたものの、「最も大きなストレス」として挙げられる割合は6.74%にとどまりました。

これは実際の成果物や進行に直接影響するケースは限定的であることから、深刻なストレスとしては認識されにくいと考えられます。

【質問⑥】発注先とのコミュニケーションにおおよそ何時間くらい費やしましたか?

選択肢

・3時間未満
・3~5時間程度
・6~10時間程度
・11~20時間程度
・21~40時間程度
・41時間以上

コミュニケーション時間は「3〜10時間」がボリュームゾーンに集中

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
修正指示書の作成や打ち合わせなど、発注先とのコミュニケーションに、プロジェクト全体でおおよそ何時間くらい費やしましたか?人数割合
3時間未満3619.89%
3〜5時間程度6837.57%
6〜10時間程度4223.20%
11〜20時間程度2011.05%
21〜40時間程度63.31%
41時間以上94.97%
181100.00%

外注デザインにおける発注先とのコミュニケーション時間について、最も多かったのは「3〜5時間程度」(37.57%)、次いで「6〜10時間程度」(23.20%)という結果でした。

両者を合わせると全体の60.77%が「3〜10時間」の範囲に収まっており、プロジェクトにおける標準的なコミュニケーション時間のボリュームゾーンといえるでしょう。

【質問⑦】制作プロセスの中で、「これくらいなら、自分たちで素早く簡単に作れたら…」と感じた経験はありますか?

選択肢

・ある
・ない

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
Q17.制作プロセスの中で、「これくらいなら、自分たちで素早く簡単に作れたら…」と感じた経験はありますか?人数割合
ある10558.01%
ない7641.99%

調査の結果、実に58%の担当者が「これくらいなら、自分たちで素早く簡単に作れたら…」と感じた経験があることがわかりました。

このことから、多くの企業が外部の専門家に依頼しながらも、制作プロセスにおいては「スピード感」や「手軽さ」を重視し、「自分たちで作成できれば便利だ」と感じていることが明らかになりました。

内製化したい制作物は「高頻度・短期間」のデザイン業務が多数

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
Q18.(「ある」と答えた方へ)どのような制作物でそのように感じましたか?人数割合
SNS投稿用の画像4829.45%
Webサイトのお知らせ・バナー画像3622.09%
プレゼン・営業資料に使う簡単な図版2817.18%
簡単なチラシや案内状4225.77%
その他95.52%
163100.00%

内製化したい制作物として最も多かったのは「SNS投稿用の画像」(29.45%)、次いで「簡単なチラシや案内状」(25.77%)でした。

これらに共通するのは、日々の更新が必要でスピード感が求められるデザイン業務である点です。

一件ごとの制作ボリュームは小さいものの、その都度外部に発注すると、コミュニケーションや待ち時間といったコストが積み重なり、担当者にとって負担やストレスの要因となると考えられます。

【質問⑧】高品質なデザインテンプレートや素材が豊富にあれば、デザイン業務の一部を「内製化」してみたいと思いますか?

選択肢

・とてもそう思う
・まあそう思う
・どちらともいえない
・あまりそう思わない
・全くそう思わない

81.21%がテンプレートがあればデザイン業務の一部内製化に前向き

97%がデザインを外注経験あり!成果物満足度86.7%の一方で見えた課題とは
高品質なデザインテンプレートや素材が豊富にあれば、デザイン業務の一部を「内製化」してみたいと思いますか?人数割合
とてもそう思う5027.62%
まあそう思う9753.59%
どちらともいえない2614.36%
あまりそう思わない73.87%
全くそう思わない10.55%
181100.00%

調査の結果、約8割(81.21%)が高品質なデザインテンプレートや素材が豊富にあれば内製化に前向きであることがわかりました。

内訳を見ると、「とてもそう思う」が27.62%、「まあそう思う」が53.59%で過半数を占めており、強い意欲というよりも、条件が整えば取り組みたいという層が多数派であることが伺えます。

この結果は、外注依存からの完全な脱却を意味するものではなく、外注と内製をバランスよく使い分けるハイブリッド型の制作体制への関心を示しています。

一方で、「どちらともいえない」と回答した層も14.36%存在しており、社内リソースや業務効率とのバランスに不安を抱える企業も一定数あることが明らかになりました。

まとめ

今回の調査では、納品される成果物に対する満足度は86.7%と高い一方で、「ちょっとした制作物なら内製化したい」と考える担当者が58%存在することが明らかになりました。

その背景には、「意図やニュアンスが正確に伝わらないこと」や「コミュニケーションの遅延」といった課題があり、単なるデザインスキルだけでなく、コミュニケーションプロセスを重視することの重要性が浮き彫りとなっています。

ただし、内製化を望む制作物はスピードと頻度が求められるデザイン業務に集中しており、外注を完全に排除したいという意向ではありません。

このことから、多くの企業は「Webサイトやロゴなどの戦略的な制作物は外部のプロに依頼し、SNS画像などの日常的な運用デザインはツールを用いて内製する」というハイブリッド型の制作体制を理想としていると推察されます。