
校正の基本ルールとミス対策|誤字脱字をチェックする方法

こんにちは!
アートディレクターのTeryです。
今回は印刷物や出版物で欠かせない”校正”について、基本のルールとミス対策についてご紹介しています。
校正と校閲の違いや向いている人なども解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
印刷物・出版物の校正記号とは?
印刷物や出版物を制作する際、文章の誤りを修正しレイアウトを整えるために
- 校正記号
- 文字間調整
に関する専門的な用語が使われます。
広告や出版業界ではこれらの用語を正しく理解し、適切に活用することで、より質の高い印刷物やデザインを作ることができます。
依頼者と制作者とのやり取りでも多用するため、基礎知識として押さえておきたいキーワードです。
校正記号とは?

校正記号とは、原稿やゲラ(試し刷りの原稿)に対して修正指示を行うために使用される記号のことです。
印刷業界や出版業界では、これらの記号を用いて誤字脱字を修正したり、文章の構成を調整したりします。
代表的な校正記号
ではさっそく、校正で使われる代表的な校正記号をご紹介していきます。
削除(トル)
誤った文字や不要な部分を削除する際に使用される記号のことです。
削除したい部分の最初と最後の文字に斜線を引き、間の文字を横線で上書きします。

余白に引き出し線を出し「トルツメ(トル)」と明記します。
「トルツメ」の場合は”削除した箇所を埋める”という指示に。
「トルママ」の場合は”削除した部分をそのまま空白にする”という指示になります。
文字追加(挿入)
足りない文字や単語を追加する指示のことです。

必要な文字が抜けていた場合などによく使います。
改行(改段・改丁)
文章の読みやすさを向上させるために改行を指示する記号です。

改行したい文章の先頭の文字にかかるように「┌」の記号を使います。
句読点修正
句読点の位置を修正するための指示です。
「∧」の記号を用いて表記します。

句点(。)や読点(、)やピリオド(.)やカンマ(,)は、小さく見間違えやすいので注意しましょう。
表記統一
特定の表記(例:ひらがな・カタカナ・漢字)を統一するための指示です。

具体的には、1つの文章の中に「もしくは/若しくは」や「ください/下さい」「子ども/子供」など、同じ意味を持っているのに違った表記が混在していることを「表記ゆれ」と言います。
このような文章の表記ゆれをなくしていく作業を「表記統一」と言います。
校正と校閲の違いは?
「校正」と「校閲」はどちらも制作物に対しての確認作業ですが目的と内容が異なります。
「校正」は誤字脱字、表記ゆれなどの技術的な間違いをチェックし、原稿と照らし合わせて正確性を確認する作業です。
「校閲」は文章などの内容自体(事実関係の確認、矛盾、表現の適切さなど)をチェックし、文章の意味や情報の正確性を確認する作業です。
簡単に言えば、校正は「ミス探し」、校閲は「内容の質の向上と正確さの確認」です。
校正・校閲に向いている人は
校正・校閲作業にはやはり向き不向きがあります。
どんな人に適性があるのかを分析してみました。
集中力と忍耐力がある人
同じ内容を繰り返し確認する根気強さと、長時間にわたり集中して作業できる能力が必要です。
細部への注意力がある人
小さな誤字脱字や文法ミス、表記ゆれを見逃さない細部への観察力が必要です。
語彙力と文法知識がある人
主に校閲に必要な能力だと思いますが、正しい表現や言い回しを理解し、適切に修正できる力が必要です。
校正・校閲に向いていない人は
続いてどんな人に向いていないのかを分析してみました。
集中力や注意力が低い人
校正・校閲ともに間違いや表記ゆれなどを見逃しやすいため、集中力が低い人や注意力が散漫な人には向いていないと思います。
文法や語彙力が不足している人
主に校閲に必要な能力だと思いますが、文法や漢字の間違いを見逃しやすいので、国語力も必要です。
校正の基本ルール
続いて、こちらでは校正の基本ルールについて解説していきます。

基本ルール①赤い文字で記載する
基本赤い文字でわかりやすく丁寧に記載する。
赤ペンでも太すぎると文字が潰れてしまうので、適度な太さのペンを使用する。
基本ルール②余白に記載する
赤字は作業者が見逃さないように、引き出し線を引いて余白に記載する。
赤字を記載するのに余白があまりない校正紙の場合は、絵柄(文章や写真で構成されたデザイン部分)の中に赤字を書いても良いが、囲みを入れて目立つようにする。
付箋を使っても可。
基本ルール③チェック漏れ防止の印をつける
チェック漏れ防止のため、マーカーやレ点チェックなどチェック済みであることがわかるような印をつける。
校正のミス対策とコツ
続いて、校正を行う際に私が実際にしているミス対策をご紹介していきます。

対策①1字チェック
文章は読んでしまうと間違いを見つけづらいので、1字ずつチェックします。
読まないように後ろからチェックするとなお良いです。

文章があまりにも長く、量も多い場合は1字ずつではなく、文節などで区切ってチェックしたりもします。
対策②日付や曜日のチェック
日付や曜日は原稿との照らし合わせに加え、必ずカレンダーとも照らし合わせて間違っていないかチェックをします。
対策③あおり校正
修正前の校正紙と修正後の校正紙を重ねてパタパタとめくるようにして修正箇所を確認する作業です。
目視では見つけづらいイラストの修正確認や、通常の校正では見つけられない指定外変換(制作担当者が間違えて赤字のない箇所に修正を加えてしまったなど)をチェックします。
対策④校正紙と原稿の距離
校正紙と原稿の距離をできるだけ近くすると、視線の移動が短くなり見逃しが少なくなりますし、疲労感も軽減されます。
「間違ってないかチェックしよう」ではなく、「間違いを見つけてやる」って思いながらチェックすると見つけやすくなる気がします…。
まとめ
今回は広告の仕事で欠かせない校正という作業について、基本ルールとミス対策をご紹介しました。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです!
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