
高齢者が見やすい配色とは?シニア層向けの優しい広告デザインと注意点&制作のコツ
こんにちは!デザポケ制作部のAyamiです!
デザポケではシニア向け広告のご依頼も多く、私自身も携わってきましたので、今回は高齢者に見やすい「配色」について解説していきます。

顧客理解の重要性がより感じられると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
なぜ高齢者向け広告デザインは見やすさが重要なのか?

高齢になると、誰でも視覚機能が低下します。
平均的に40歳を過ぎた頃から、視力の低下と老眼の進行により文字が小さすぎると読みにくく、ピントが合いづらくなります。
それだけでなく、色の見え方や光の感じ方にも影響が出てきます。
特に「水晶体の変化」は、加齢に伴う目の変化の中で色彩感覚に最も影響を与えます。
目の中に入る〈光のレンズ〉の役割をしている「水晶体」は、加齢とともに黄色く濁っていき、黄色いサングラスをかけたような状態になります。
これを「黄変」と言います。
黄変が要因となり、「青色」や「紺色」などが見えにくくなり、同時に「黄色」や「赤色」は強調されて感じられることがあります。

「見えにくい広告」は、読むこと自体がストレスとなり、高齢者にとっては精神的な負担となります。
結果として、広告を最後まで見ることなく、すぐに離脱してしまう可能性が高まります。
高齢者が見えにくい&見やすい配色
それでは、高齢者が見えにくい配色と見やすい配色について紹介していきます。
高齢者が見えにくい配色
青色やネイビーなど寒色系の配色

寒色系は「黄変」により高齢者には見えにくい色となるので要注意です。
- 青 × 紫
- 青 × 緑
- ネイビー × 黒
- ネイビー × 茶
- 水色 × ピンク
明るい色や彩度の差が小さい配色

「黄変」によって全体的に色がくすんで見えるため、色の薄いパステルカラーや、彩度が低いくすんだ色の組み合わせは見分けが困難になります。
- 黄色 × 白
- ベビーピンク × 白
- ベビーピンク × ライトグレー
- ベビーピンク × ベージュ
- 淡い水色 × ベージュ
- 淡い水色 × ライトグレー
明度や彩度が近い配色

加齢によりコントラスト感度が低下し、色の濃淡や明暗の差が分かりにくくなるため、高齢者が見えにくい傾向にあります。特に同系色は見えにくため注意が必要です。
- 黒 × グレー
- 黒 × 茶色
- 黒 × 深緑
- 濃い茶色 × 深緑
- ネイビー × ダークグレー
ハレーションを起こす配色

「ハレーション」とは、高彩度の色の境目がチカチカして不快感や残像感を与える現象です。目が疲れて、文字などが非常に読みにくくなります。
- 赤 × 緑
- 赤 × 青
- オレンジ × 青
- 黄色 × 紫
- ピンク × 緑
明度が非常に近い高彩度の配色

彩度の高い色同士を組み合わせると、境界線が曖昧になり目が疲れやすくなります。
- 赤 × オレンジ
- 黄緑 × 水色

特に、可読性が求められる折込チラシや雑誌、ポスター、ウェブサイトなどでは、避けるべき重要なポイントとなります。
高齢者が見やすい色の組み合わせ
明度差が大きい配色

高齢者が見やすい色の組み合わせは、主にコントラスト(明暗差や色相差)がはっきりしていることが最重要です。
- 白 × 黒
- 白 × ネイビー
- 白 × 深緑
- 白 × 濃い茶色
暖色系の配色

高齢者が見やすいとされる「赤」「オレンジ」「黄色」などを効果的に使いましょう。
- 赤 × 白
- オレンジ × 白
- オレンジ × 黒
- ピンク × 茶色
- ベージュ × 茶色
中間色(アースカラー)と濃い色の配色

落ち着いたアースカラーは、安心感や自然な印象を与えます。濃い色を組み合わせて見やすい配色に。
- ライトグレー × ネイビー
- オリーブグリーン × クリーム色
- ターコイズブルー × 黒
色相のコントラストも考慮した配色

反対色に近い色でも、明度差を大きくすれば見やすくなります。
- ネイビー × オレンジ
- 濃い紫 × 明るい黄緑
- 朱色 × ライトグレー
- 黄色 × 黒

これらの配色パータンを踏まえ、シニア向けの広告で特に重要視されている配色のポイントを押さえましょう!
シニア向け広告デザインのコツ&注意点
ここからはシニア層向けの広告デザインを制作する際のコツや注意点をご紹介していきます。
加齢による色覚の変化を意識する
「黄変」による色の見え方を考慮し、寒色系の配色を避けつつ暖色系の色を効果的に使用しましょう。
色数を抑え、シンプルに
情報過多は混乱を招き、読解を妨げます。
主要な色は3色程度に絞り、アクセントカラーを暖色系にすると視線を誘導しやすいでしょう。
まぶしさを軽減する
高齢者は強い光をまぶしく感じやすいため、過度な輝きやコントラスト、高彩度同士の配色は避け、視覚的に疲労を感じさせないようにしましょう。
高いコントラストを徹底する
これが最も重要なポイントです。
高齢者の目では、色の明るさや鮮やかさの差が小さいと、境界線がぼやけて判別しにくくなります。
白内障などで視界がかすんでいる場合は、さらにコントラスト感度が低下するため、カラー選びには配慮が必要です。
まとめ:高齢者への訴求力を高める配色デザイン
シニア向け広告の配色についてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は配色にフォーカスしましたが、他にも文字の大きさやフォントの種類、行間、レイアウトなど、高齢者に見てもらうための広告には気をつけるべき点が数多くあります。
デザポケでは色々な要素を工夫しながら「見やすい=伝わる」広告制作を心がけています。
「高齢者向けの広告デザインに自信がない」「現状のデザインを見直したい」とお考えでしたら、ぜひ一度弊社にご相談ください。

高齢者の視覚特性を意識した広告物の実績があるプロのデザイナーが、貴社の広告効果を最大化するための最適なデザインをご提案いたします。
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